インプラントジャーナル IMPLANT JOURNAL
93号

価格
4,730円(本体4,300円+税10%)
体裁
A4変形
IMPLANT JOURNAL

特集

骨造成やサイナスリフトはもう古い 最新インプラント治療はこれだ!
Ⅰ 補綴主導のインプラント治療から患者主導のインプラント治療へ [ 林 揚春 ]
Ⅱ 4S-Conceptに基づいた垂直骨量が少ない部位への対応 [ 有賀 正治 ]
Ⅲ エクストラワイドショートを用いたgraftless sinus lift [ 川添 祐亮 ]
超高齢社会を迎えている日本においては、今後さらに低侵襲の短期間治療が求められる。そのためには複雑な外科処置をできるだけ減らすとともに、早期に機能回復ができるインプラント治療を提供する必要がある。そしてそれこそが患者主導のインプラント治療であり、われわれ術者が常に臨床で意識して達成すべきゴールだと考えている。(本文より抜粋)

内容

  • シークエンシャルガイダンスの世界 最新デジタル技術vs歯科技工士の匠の技 その3 インプラント治療によるフルマウスオーラルリハビリテーション [ 鈴木 光雄 ]
  • 咬合の科学 シリーズ連載 咬合を紐解く 第5回 上顎歯列の重要性 -咬合平面と正中矢状面- [ 船木 弘 + 吉野 晃 + 白土 勇貴 + 萩原 康男 ]
  • 臨床研究 有限要素法解析からの考察 その3 リッジエキスパンジョン時に骨裂開を防ぐためのデコルチケーションの工夫 [ 林 俊輔 ]

編集部より

93号の特集タイトルは「骨造成やサイナスリフトはもう古い 最新インプラント治療はこれだ!」という少し過激なものですが、誤解のないようにいいますと、これらのテーマを決定したのは編集部であり、各執筆者の先生方の意向ではありません。もちろん骨造成や上顎洞底挙上術などが必要となる患者さんはいると思われますが、あえてこのテーマにしたのは、それら骨量の乏しい患者さんのために低侵襲で短期間治療ができる新たな発想を提案したかったからです。

インプラント治療の登場によって欠損補綴の治療は大きく変化し、保存の考え方にまで影響を及ぼすようになってきました。今やインプラント治療は多くの国民に認知され、求められる治療になってきています。しかし、一方で患者さんがインプラント治療を躊躇する理由は、その治療期間の長さです。オッセオインテグレーテッド・インプラントが臨床に登場してから半世紀ほどが経過しますが、インプラントシステムや各種診査・検査装置の発達に比べて、治療期間については当初からさほど短縮されていないように感じています。この原因はインプラント治療だけが古いエビデンスを継承し続けているからではないでしょうか。

今号の特集によって実際の臨床結果というエビデンスをより多くの先生方に見て読んでいただき、治療期間や併用外科処置において低侵襲で短期間治療という意識が少しでも生じていただければと思っています。今回は上顎臼歯部が対象でしたが、今後は審美領域などのインプラント治療においても患者さんの日々の生活というものを最大限考慮したインプラント治療の情報発信を行っていきたいと思っています。