インプラントジャーナル IMPLANT JOURNAL
100号 最新号

価格
5,000円(本体4,545円+税10%)
体裁
A4変形
IMPLANT JOURNAL

特集1

Minimalism インプラント治療におけるミニマリズムの必要性 [ 林 揚春 ]
従来のクラシカルなインプラント治療とミニマリズムに基づいたインプラント治療を比較した場合、従来のクラシカルなインプラント治療は、手術回数が多く、GBRやCTGなどの付随する外科処置も多くなるため治療経過が不透明で結果の成否も確実性に乏しい。ゴールまでの正確な治療期間も患者へ伝えることが難しい。 一方、ミニマリズムによって簡素化された治療プロセスは、患者が理解しやすく、シンプルな治療計画は、患者の不安を軽減し、治療への信頼感を高める。 本特集では治療内容や治療期間、治療費も含めミニマリズムの必要性を解説する。

内容

  • FINESIAシステム FINESIAシステムにおけるBone Level Implantの有用性 [ 島田 昌明 ]
  • 上顎前歯部主導の咬合治療 デジタル世代の咬合再構成治療の進め方 [ 上顎前歯部主導の咬合治療 デジタル世代の咬合再構成治療の進め方 ]
  • アドバンスと言う勿れ 上顎小臼歯へのエクストラワイドインプラントの応用 [ 名護 太志 ]
  • 新たな発想の開洞術 既存骨の少ない症例におけるバイトリフターによるクレスタルアプローチ [ 水口 稔之+根岸 清英+泉田 弘太 ]
  • 矯正&インプラント治療 矯正治療における便宜抜歯の功罪 [ 鈴木 光雄 ]

編集部より

一つの節目となる100号の特集は「Minimalism インプラント治療におけるミニマリズムの必要性」として林揚春先生(東京都)にお願いしました。インプラントジャーナルが100号まで続いてきたのは、創刊直後から林先生によるインプラント臨床の新たなトピックスを常に報告できたことも大きいのではないかと感謝しています。

林先生は、GBRが注目を集めていた時代からメンブレンを用いない骨再生のためのインプラントのポジショニングや、低侵襲で短期間治療のための抜歯即時埋入の有効性、さらに抜歯即時埋入における審美補綴を考慮したインプラントのポジショニングなども提唱されてきました。このように常に患者さんの負担を軽減させるインプラント治療を実践してきた林先生の集大成が「Minimalism」を考慮したインプラント治療です。外科的侵襲の低減や治療期間の短縮ばかりでなく、処置の回数を減らすことで歯科生体材料などの費用も抑え、インプラントの治療費も軽減させることが、高齢化が進む現在の日本において重要だと説かれ、そのために必要な治療方針や臨床上のテクニックが症例とともに解説されています。外側性に大きく骨を造ったり、軟組織を移植したりする従来のインプラント治療をすべて否定するわけではありませんが、「インプラントは怖い、痛い、腫れる、時間がかかる、高い」と考えている潜在的な患者さんが多いことも事実です。そのような患者さんのデメリットを解決するためにも、そろそろ「Minimalism」の考え方に基づいたインプラント治療がスタンダードになることを願っています。