歯は栄養器官の重要な構成要素です。健全な顎口腔機能を有して、何でも噛めておいしく食べられることは、栄養状態、運動能力、精神面の健康状態などを良好に維持するために、直接的あるいは間接的に関与しています。しかし、高齢化 社会が進む中、種々の理由から多くの歯を喪失してしまった患者さんも多く存在し、このような患者さんに対する健康回復も歯科医療の重要な課題になっています。
インプラント治療が最も優れている点は、多くの歯を失って咬合関係が崩壊あるいは喪失しているようなケースでも、堅固な咬合関係を再構築できるということがあります。しかし、ほぼインプラントのみで口腔機能を支えるためには、そのインプラントのポジションや使用本数、補綴物の設計など、適切にクリアしなければならない条件が多く存在します。また、ほとんどの歯が存在しないケースなどは、咬合関係や歯列を再現するための参考や指針になる要素が少ないため、歯列を創造するためのクリエイティブな感性も求められます。
本書は、多数歯欠損や無歯顎といった咬合関係や歯列を再現するための参考や指針になる要素が少ないケースに対して、何を基準に歯列を創造すればよいのか、インプラントをどのようなポジションにどのように使用すればいいのか、患者のためにはどのような治療計画を立てるべきなのか、そしてそれらの治療を成功させるためにどのようなテクニックを習得し、駆使すればいいのかなどを、豊富な症例写真とイラストを用いて解説した一冊です。インプラント臨床の第一線で活躍されている著者らが、実際の臨床で実践している「臨床に即した理論と実践」が学べます。